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【読書の秋〜本を読もう!】④にごりえ/樋口一葉

目次

 

1.今回は樋口一葉

12月に入って、本格的に冬がやってきたという感じがしますね。

 

今回は樋口一葉の「にごりえを読みました。

 

 

樋口一葉と言えば、日本の女流作家の代表的な存在です。

 

5,000円札の肖像の女性なので、きっと皆さんお顔はご存知のはず。

 

ですが、実際に作品を読んだ方は多くないのではないでしょうか(笑)

 

ちなみに、お札の肖像に選ばれているにもかかわらず、当時は借金生活で苦労されたそうです…。

 

2.「にごりえ」の内容は?

にごりえは1895年(明治28年)に描かれ、遊女お力が、落ちぶれた男・源七と情死するまでが描かれます。

 

「遊女に入れ込んだために人生が破滅した男の話」ということもできますし、あるいは「自分に入れ込んで家庭崩壊した男の心中に巻き込まれた女の話」とも言えます。

 

内容だけで言えば、近松門左衛門とかの江戸文学とかに近いですね。

 

3.言葉のタイムカプセル

とにかく本作で独特なのが、セリフと地の文章が渾然一体となっていること。

初めて読む方は、それだけでページを閉じたくなるのではないでしょうか(笑)

読みにくいのですが、不思議なことに、慣れてくると逆に読みやすいんですね。

 

なぜかと言うと、本作では当時の遊女が実際に使っていた言葉がそのまま移しとられているから。

 

現在と同じで、庶民はそんなに難しい言い回しや内容の話なんかしません。

 

だから、なんとなく言っている事は理解できるし、その言葉をたどっていくと、まるで明治時代にタイムスリップしたような気分にさえなるのです。

 

……それにしても、日本の女性たちが大変なのは、昔も今も変わらないようです。

 

例えば100年後の女性たちが、現在の女性の書いた文章を読んで、どのように感じるのか。やっぱり未来も、女性は大変な思いをしているのか。気になりますね。