【読書の秋〜本を読もう!】①機械/横光利一
目次
1.ごあいさつ
読書の秋ということで、最近結構本を読んでいます。
そこで、読んで感じたことを備忘録がわりに書いていこうと思います!
最近どんどん寒くなっているので、うかうかしていると「読書の秋」が終わってしまいそう…笑
2.機械/横光利一
横光利一は、明治生まれで、昭和に活躍した作家です。
小説の神様というと志賀直哉が有名ですが、実は横光利一もそう呼ばれていたんですね。
その代表作が「機械」ですが、主人公が働くネームプレート工場を舞台に、登場人物たちの心理が細やかに描かれます。そして最後の事件で、主人公はちょっと正気を失っているのかもしれません。
ほとんど改行がないのですが、読みやすく、緊張感あふれる内容となっています。
3.本作のおもしろポイント
本作では「4人称」が使用されています。
4人称って、ちょっと聞き慣れないと思います。
本作では、事件の当事者である過去の私が1人称で、現在の立場から過去の私が経験した出来事を語る「私」が4人称となります。
でもただ単にこの構造が4人称というわけではなく、ショッキングな出来事によって、私にある種の分裂が起きたからこそ、4人称が成立していると言えそうです。
「あんな不可解なことを経験したのは本当に私なのか?」…そんな、乖離の感覚なのかもしれませんね。
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江戸川乱歩なんかがお好きな方なら、きっと楽しめる作品ですよ!^^