ゾウのはな子が、死んだ
ゾウのはな子が死んだ。
日本で1番長生きしたゾウだった。
詳しいことは書けないのだが、自分は、実ははな子とはけっこう縁が深い。
そんなはな子が死んだ。
みんなから愛された。
齢を重ねるごとに、インドの伝承「白象」のように、皮膚が白くなっていった。
はな子の住環境について、海外からは「虐待ではないか」という意見もあったらしい。
はな子は、最期に自然やジャングルに帰りたかったのだろうか?
不思議と、悲しいとは感じない。
もともとこの世の生き物離れしたオーラを纏っていたからかもしれない。
生きているときですら、こちら側よりもあちら側に近いような、ある種の崇高さとか威光があった。
……だけど同時に、会いに来る人の傍にいるような温かみというか、全てを包んで受け入れているような、そういうスケールの大きさがあった。
さようなら、はな子。
ありがとう、はな子。
ありきたりのことしか、言えないけど。