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30歳からのブログデビュー

アラサー男があなたに贈る現代版「徒然草」(つれづれぐさ)

電通だけじゃない、という話

1.

電通過労自殺問題が大ごとになっている。

 

www.sankei.com

 

電通」は、日本のみならず世界最大クラスの広告代理店として、テレビをはじめとする多くのメディアやイベントに関与している。

 

(単体として)世界で最も売り上げのある広告代理店であると同時に、日本以外での知名度がほとんどないという特徴を持った企業組織である。社則である鬼十則が有名である。

 

ニコニコ大百科(仮)

 

通常、電通関係の不都合な報道に報道各社は及び腰なのだが、さすがに今回だけは報道せざるを得ない状況になっている。

 

2.

 

当然のことながら、過労や激務、行きすぎた残業は電通だけの問題ではない。

 

場合によっては芋ずる式に、大企業へメスが入っていく…ことを期待したいが、今回の強制捜査は「とりあえずの見せしめ」で終わる可能性も高いと思う。他の企業に対する、多少の抑止力としては働くだろうから、もちろん意義のあることだとは思うけれど。

 

 

…激務の背景には3つの問題が絡んでいる

 

・ 日本は「理不尽な労働を強制したら即訴訟」みたいな文化ではないこと

・  事実、大企業ではこなさなきゃいけない業務量が膨大である(と予想される)こと

・ 「労働が美徳」であるような意識が日本では根強いこと

 

ベーシックインカムやリモートワークなんかの話が出てきて「キャパを超えて働かなくて良い世界」が実現するかもしれないというビジョンの一方で、大企業はそれに対応できるだけの小回りの良さをもっていない。サメと同じで、動きを止めたら死ぬ類いの動物なのだ。

 

はっきり言って、過労は「一企業の体質」とか「注意すれば直る」とか言った類いのものではない。構造的な問題なのだ。グローバリゼーションや高度資本主義という、システムの問題なのだ。

 

この問題を解決できる唯一の存在こそが「政治」だ。

…だが現実には、政治家をもってしても、解決は難しい、と思う。

国内のみの問題ではなく「開かれた市場」の問題だからだ。

 

むしろ政治判断が、状況をより悪化させるケースも多いことを考えると…一筋縄ではいかないだろう。

 

3.

 

前にも引用したけど、改めて、この寓話を引用したい。

長いので、リライトして短めにして掲載する。

 

メキシコの田舎町で漁師が小さな網に魚をとってきた。

それを見たアメリカ人旅行者は、「すばらしい魚だね。どれくらいの時間、漁をしていたの」 と尋ねた。

 

漁師「そんなに長い時間じゃないよ」

旅行者「もっと漁をしていたら、もっと魚が獲れたんだろうね。おしいなあ」

漁師「自分と自分の家族が食べるにはこれで十分だ」

旅行者「それじゃあ、あまった時間でいったい何をするの」
漁師「日が高くなるまでゆっくり寝て、それから漁に出る。戻ってきたら子どもと遊んで、女房とシエスタして。 夜になったら友達と一杯やって、ギターを弾いて、歌をうたって…ああ、これでもう一日終わりだね」


すると旅行者はまじめな顔で漁師に向かってこう言った。


「ハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得した人間として、
きみにアドバイスしよう。
いいかい、きみは毎日、もっと長い時間、漁をするべきだ。それであまった魚は売る。お金が貯まったら大きな漁船を買う。そうすると漁獲高は上がり、儲けも増える。その儲けで漁船を2隻、3隻と増やしていくんだ。やがて大漁船団ができるまでね。そうしたら仲介人に魚を売るのはやめだ。自前の水産品加工工場を建てて、そこに魚を入れる。その頃にはきみはこのちっぽけな村を出てメキソコシティに引っ越し、ロサンゼルス、ニューヨークへと進出していくだろう。きみはマンハッタンのオフィスビルから企業の指揮をとるんだ」

 

漁師は尋ねた。

「そうなるまでにどれくらいかかるのかね」

「20年、いやおそらく25年でそこまでいくね」

「それからどうなるの」

「それから? そのときは本当にすごいことになるよ」
と旅行者はにんまりと笑い、

「今度は株を売却して、きみは億万長者になるのさ」

「それで?」

 

「そうしたら引退して、海岸近くの小さな村に住んで、日が高くなるまでゆっくり寝て、 日中は釣りをしたり、子どもと遊んだり、奥さんとシエスタして過ごして、夜になったら友達と一杯やって、ギターを弾いて、歌をうたって過ごすんだ。 どうだい。すばらしいだろう」

 

 

もちろん、この話は寓話で、たくさんのツッコミどころがある。

それにも関わらず、この寓話に価値があるのは「大金を得て手に入れようとしている生活や幸せは、実は、お金がなくても手に入る」ということを教えてくれているからだ。

 

少なくとも、先進国では、あまりお金がなくても豊かに暮らせるような環境になっている。有史以来の技術革新は、ダテじゃないというわけだ。

 

一昔前なら、100億円払ったってiPhoneは手に入らなかった。

それから、今はどんな僻地に居たって、連絡が取れる。

(自分は、南の島の端っこや、人家もほとんどない浜辺でwifiがつながったとき、本当に深く感動した)

メールを使えば、どれほどの量の文章や画像でも無料で送ることができる。

それに、国内外をこれだけ安く移動できるようになったのも、実はここ数十年の話だ。

 

 

こんな時代に「過労死」って…

なんだか率直に「21世紀にそぐわない」と感じられてならない。

 

4.

 

自分は、実はこの世界の未来(とりあえずやってくるであろう変化)に、ある程度の希望や期待を抱いている。

 

同じだけ不安や失望も抱えているけれど…。

 

とにかく短いスパンで時代がどんどん様変わりしてゆくかと思うので、今本当に大変な思いをしている方や、若い方には「もう少し辛抱して欲しい」と言いたいような…。

 

でも「待てない」ということであれば、

世界を変える方に参加するしかないかと思う。

 

自分を過小評価せずに「面白くて、あわよくば万人のためになるかもしれないこと」をはじめてみるのだ。そのために生活を劇的に変えなくてはならないのならば…変えてみてはいかがだろうか?少なくとも「よく考えたら、生き方変えてもなんとかなりそう」と言う方は、トライする価値があると思う。

 

勉強して知識を付けるのでもいい。

何か技術を身につけるのでもいい。

誰かに弟子入りするのも良いかもしれない。

 

…少なくとも、死ぬ必要は、ない。