時給で働くこと、の話
目次
1.平均時給ってどれぐらい?
昨年は東京・神奈川の平均時給が1,000円を超えて大きな話題となりました。
で、最新の状況を見てみると去年と変わらず。
なんですが、逆にいうと東京・神奈川以外は、平均時給が1000円を下回ったままですね。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/)
2.時給はお得?
「時給〇〇円」が保証されていると、とりあえずその場所に行って、決められた時間いるだけでお金が発生することになります。
コツを掴むと、仕事がルーティンワークになるし、手の抜き方もわかってきたり。
たまに甘い職場だと、大したことをしないでもお金が発生したりすることもあるかもしれません。(ただ、監視カメラとかがあるので、年々サボりにくくはなっているのかなぁという気はしますが。個人経営とかだと、たまにすごい甘い職場もあるようです)
気楽だし、働きやすい職場ならお得な気もします。
が、時給1,000円で月20万円稼ごうと思ったら、8時間労働を25日間しなければなりません。
ならば正社員になれば良いのか?
「けっこう働いているけど、20万円に届いていないような…」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
正社員の場合は健康保険・厚生年金・雇用保険…など諸々が引かれており、一概には言えないのですが、よくよく計算してみたらバイトよりも時給が低い(あるいはバイトと変わらない)というケースは案外多いかもしれません。
3.時給労働では「奇跡」が起きない
そして時給で働くことの1番の問題点は、どんなに長く働いても奇跡が起きる確率がほぼ無いという事です。
どういうことか。
例えばコンビニで働いていて「君はよくやってるから時給2倍ね」という奇跡はまず起きません。
(仮に2倍になったとしても、5倍、10倍は絶対にあり得ませんよね)
また、出来高制でもないので「お客さんが増えたから、臨時ボーナス出すね」みたいな奇跡もありません。
そもそも時給労働では、付加価値の高い仕事なんか求められていないし、そのような仕事をしても対価は返ってきません。
時給で働く(=労働力の提供で対価を得る)という事は、そのような制約(=奇跡なんて起きなくていいということ)に同意することを意味します。
その点、正社員は出世と給与増の可能性があるので…と言いたいところですが、ちょっと状況が変わってきていますね。
コロナの影響で実感されている方も多いと思いますが、今はそれなりの規模の会社も安泰ではありません。
Googleのように世界規模のインフラを構築していれば話は別ですが、実質的にほとんど付加価値を生み出していない会社も多く、そのような会社は時代に淘汰されていく運命を避けられないのではないでしょうか。
4.経営者・フリーランスは「奇跡」を待ち受けることができる
それでは、一方自分で会社をやっていたり、フリーランスの場合はどうか。
たまにとんでもない大口案件が入ったり、付加価値の高い仕事に対して高報酬が提示されることがあります。これが「奇跡」です。
その時給は5,000円であったり、10,000円であったり、10万円であったり、あるいはそれ以上であったり…。
もちろん経営者やフリーランスは何の保証もないし、自己責任だし、逆に全然稼げないリスクもありますが…。
ですが、コツコツ頑張って、長く続けていると、それは「奇跡」を受け入れる器となります。
言い換えれば、経営者・フリーランスは「奇跡を待ち受けることができる働き方」と言えるのです。
多くの人がこのような世界を全く知らないまま歳をとっていくのは、ちょっともったいない気もしますね。
5.給与所得者とフリーランスの「二足のわらじ」
「それじゃあ脱サラだ!」と思うのは、早計です。
何をするのか決まっていなかったり、ご家族がいる場合は特にそうですね。
なので、アルバイトや給与所得者の方は「副業をやってみること」をおすすめします。
年間20万円までの稼ぎなら雑所得になり、給与所得者の方でも基本は確定申告不要です。だからまずは気軽に試すことができます。(*場合によっては確定申告が必要なので自己責任でよく調べてください)
また「フリーランスだけど全然稼げないからバイトしようかな」という方は、よほど向いていない限り廃業せず、そちらも細々と続けたほうがいいと思います。いつ奇跡がいつ起きるか分からないので…。
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現代のリスクヘッジは、時給労働(もしくは給与所得で働くこと)とフリーランスのハイブリットが、1つの究極かもしれません。
そしてその1番のメリットは、異なる両方の働き方を身をもって知ることができるので、考え方・視野の幅(そして可能性)が大きく広がることにあるのではないでしょうか。