30歳からのブログデビュー

アラサー男があなたに贈る現代版「徒然草」(つれづれぐさ)

「地方創生ってどうなったの?」という話

「東京一極集中の是正」「地方の人口減少ストップ&地方の活性化」。

 

そんな目標を掲げて2014年に発表、政府発案・地方主導で実施されてきた「地方創生」ですが、果たしてどのような成果を上げたのでしょうか?

 

…結論から言って、目に見える成果は出ていないというのが現状のようです。

 

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東京一極集中の問題については、2018年の段階で前年と比べて9%増の人口移動。

 

そして総務省が2019年の人口の動きを調査したところ「東京・神奈川・埼玉・千葉の「東京圏」は、転入が転出を14万8783人上回り「転入超過」」となったようです。

www.nikkei.com

www3.nhk.or.jp

 

そして政府や、銀行、研究所等の分析でも「地方経済は低迷しているし今後もより厳しくなる」とされています。

 

地方消滅 東京一極集中が招く人口急減 (中公新書)

地方消滅 東京一極集中が招く人口急減 (中公新書)

 

 

ちなみに東京という都市の人口は世界トップクラスで、人口集積度に関しては(人だらけの印象がある)インドのデリーやムンバイをしのぐようです。

biz-journal.jp

 

東京に住んだことがある方なら同じ感想を持つと思いますが「狭い道に歩行者や自転車が多くて歩くことそのものがストレス」です。

 

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そんな世界的にも稀で、ストレスフルな大都市・東京に、なぜ多くの人々がやってきて、住み着いて、出て行かないのか?

gendai.ismedia.jp

↑ でも指摘されているように、仕事・学校といった生活基盤がすでに東京にあるからであり、そういった人たち向けのマンション・団地・住宅の開発が盛んだからです。

 

そして(自分たちが住んでいた)地方に魅力や可能性を感じない人々も、それぞれに何かを求め東京へやってきて、生活をはじめます。

 

それで出会いがあって結婚して子供が生まれて…ということになりますが、そのときはもう仕事があるので生活の場を容易に移せない。東京なんて、待機児童でかなり大変なのに…。

 

いや、もしかするとこのタイミングで地元に帰る選択肢も浮かぶかもしれませんが、地元と東京を比較した上で「東京の方がマシ」と判断する人はかなり多そうです。

 

これは、結婚していない東京で夢を追う若者、東京で働く多くの独身の方々などにも共通しそうですね。

 

ちなみに「東京一極集中の動向と要因について」という資料の「東京圏への移動理由についての考え」の章に、地方から東京へ出てきた人々の理由が書かれていて興味深いです。

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/meeting/senryaku_kensyou/h31-1-28-shiryou4.pdf

 

東京に出てきた理由の半分が「進学や就職」が理由です。そして注目すべきが27%以上が「志望する学校・企業を選んだところ、結果的に東京圏で進学・就職することになった」というもの。…実質的に80%近くの理由が「進学や就職」となります。

 

地方にも立派な大学や企業はたくさん存在します。それにもかかわらず日本全国多くの方々が「東京(の大学や企業)」に高いステータスを感じ、理想とする環境がある(あるいはマシな環境がある)と考えていることがわかります。

 

このような意識を変えることは、おそらく容易ではありません。

 

国としては、東京圏への転入転出のバランスを2024年度までに均衡させたいようですが… 。現状だとかなり難しそうです。

 

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地方消滅 創生戦略篇 (中公新書)

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