【冒とく?】AI美空ひばりの話【アンチ秋元康?】
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1月19日放送のラジオ番組「山下達郎のサンデー・ソングブック」にて、ミュージシャンの山下達郎さんが「(紅白歌合戦で放送されたAI美空ひばりは)冒とくです」と発言したことが話題を呼んでいるようです。
達郎さんといえばおしゃれな音楽、というイメージを抱いている方も多いと思います。けれど実は、肉体派のロックンローラーという部分が根底にある方です。
しかしながらテクノロジーに疎いというわけではなく、むしろ早い段階からコンピューターを導入してアルバムを作ったりしています。そういったものに、決して理解がないわけではありません。
そうすると、達郎さんの発言の真意は一体どこにあるのでしょうか?
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1つには「明らかに美空ひばりさんの意思ではない言葉を語らせていること」への反発があるかと思います。
生前録音された本物メッセージならばまだしも、楽曲中にあるのは美空ひばりさんの声によって語られた「他者のメッセージ」です。それも、お涙頂戴ものの…。
達郎さんのみならず、これに気持ち悪さを感じた人は案外少なくないのでは、とも思えます。
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それからもう一つには、
「(この企画で作詞とプロデュースを担当した)秋本康さんに対する批判精神」があるのではないか、と思いました。
達郎さんはかつて、秋本康さんがプロデューサーを務めるAKB48に対して、バッサリと切り捨てています。
AKB48についてどう思いますか?
「僕の人生に必要ありません。向こうも同じだろうけど(笑)」
ーーー「チケットぴあ 山下達郎100Qインタビュー」より
さらに、朝日新聞のインタビュー「フロントランナー」においては、以下のように語っています。
CDにアイドルの握手券が付いているんじゃなくて、
握手券にCDが付いている。
手順が逆。
仮にCDが付いてなくても買うんじゃないですか。
ーーー2012年10月6日の朝日新聞のインタビュー「フロントランナー」
「AKB」と具体名は出していませんが、明らかにAKB48に対する批判です。
業界の中でも相当な音楽マニアであり、音楽が大好きであるからこそ。(達郎さんから見て)音楽を貶めるような売り方をする秋元さんに対して、反発せずにはいられないのかもしれませんね。
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ちなみに、非常に皮肉なことですが、お2人はかつてジャニーズのアイドルグループ・少年隊の名曲「湾岸スキーヤー」で、作詞&作曲という形で共演を果たしています。
その歌詞の一部を引用します。
昨日より今日よりも
素敵な場所がある
僕が君を連れてくよ
ーーー少年隊「湾岸スキーヤー」
少なくとも、お2人がファンたちを連れて行こうとしている「素敵な場所」は、それぞれに全く逆の方向であるようです。