映画『ネコナデ』を見て面白かった、という話
2018年にお亡くなりになられた大杉漣さんが出ている作品で、非常に厳しくて社内で憎まれている人事部長を演じています。
この人事部長は頑固で、ちょっとサイコパスな雰囲気もあるのですが、実は猫が好きで責任感があり…というなかなか素敵な人物です。
ブラック企業の問題、パワハラの問題、多面的な物事の見方…など、本作には様々な教訓やメッセージが込められており、考えさせられました。
良い人だからこそ、責任感があるからこそ、逆に組織ではとことんまで悪い人間・憎まれる人間にもなり得てしまう。…これは、ナチスドイツを分析したハンナ・アーレントの指摘に重なる部分があるのではないでしょうか。
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個人的には「悪い女によって破滅する男」的なプロットで、「猫によって破滅する男」というストーリーをちょっと期待したのですが…そうならなかったところに希望をつないでいるというか、日本的というか…そんなふうに感じました。
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