30歳からのブログデビュー

アラサー男があなたに贈る現代版「徒然草」(つれづれぐさ)

30歳…

1.

 

30歳。

 

自分はずっと「30歳成人説」というのを信じてきた。

 

法律上は、20歳で成人だが、自分としては「30歳成人説」というのがしっくりくる。

 

30歳は、大学(学校)を卒業し、何かしらの社会経験があり、何より自分のことが多少分かる年齢だ。

 

自分が分かる、というのは、主に自分の「どうしようも無い部分」「変えようのない部分」に気づき、そこをあきらめて、付き合ってゆくしかない、ということではないかと思う。

 

その意味で、多くの人にとっての本当の成人は30歳なのではないか、と思うのだ。

 

2.

 

成人とはたぶん、自分の人生の重みを、自分できちんと受け止めなければならないということかと思う。

 

でもそれは、ネガティブなことじゃない。

 

つまるところ「自分固有の人生=物語をはじめる」ということであって、不安もあるが、どこかワクワクする部分もある。

 

もしかすると、スッカラカンになってしまうかもしれない。

 

けれど、試す価値はあるし、取らなければいけないリスクなのだ。

 

その舞台として、日本はかなり恵まれていると思う。

 

確かに日本にも問題は多い。

 

しかし、途上国や諸外国と比較すれば、相当恵まれたところで勝負できる。

 

3.

 

「自分固有の人生=物語をはじめる」ために必要なことは、現在の「手持ちのリソース」(持ち札)の価値を最大化することではないかと思う。

 

例えば、年収が100万円しかないのならば、その中で、最も心地よく生きる方法を考える。

 

一例をしては、年収を増やす(手持ちのリソース(持ち札)を増やす)ことを考えても良いだろう。

 

しかし、そのために奴隷のような労働、ガマンならぬ状況などが発生するならば「なんとかやるしかない」と考えるよりも「無理そう」とあきらめたほうが、かえって道は開けるかもしれない、とも思う。

 

おそらく、限られたリソースでも豊かに生きてゆくことはできる。

 

というか、それができない人が、年収1,000万円、1億あっても、ハッキリ言って無意味ではないだろうか?

 

高い住宅ローン、超高額な教育費、維持費の高い生活…そんな重荷によって破産するケースも後を絶たない。

 

なぜか?

 

答えは単純で、日本が経済成長していないからだ。

 

とにかく働けば、はじめは苦労してもだんだん給料も上がって、子供も立派になって、最後はハッピーエンドに。

 

そんなストーリーが有効な時代ならば、どんぶり勘定でもOKだっただろう。

 

しかし、日本が価値成長できず、従来のモデルが頭打ちな以上、手持ちのパイを増やすことは容易ではない。

 

遠い未来のことは知らないけれど、日本は1度かなり貧乏になるだろう。

 

けれど、それは不幸ではない。

 

必要なのは、そうした状況、来たるべき、進行中の状況に適応する能力ではないだろうか。

 

4.

 

無理しなければ維持できない「中流」ならば、そんなものはまやかしだ。

 

それよりも自分は「人間らしい生活」を取りたい。

 

たぶん、それを「甘い」と批判する方もいるだろう。

 

批判をするのは、おそらくよほどのお金持ちか、既得権益から多大な恩恵を受けてる方々だろう。

 

しかし、身も心もすり減らしている労働者が批判をするのは、どう考えてもおかしいと思う。

 

特に、未来ある若者がよく考えもせずに、リスクの高い生活やライフワークバランスを「しかたのないこと」「黙々とやるのが大人」などと本気で考え、それを「かっこいいこと」などと本気で思っているのだとしたら、本当に救いがない気がする。

 

5.

 

少し前なら、株や国債などである程度安全に資産運用する方法や、そのようなテクニックで稼ぐ方法もあった。

 

しかしリーマンショックサブプライム以降、自分としてはもう金融経済を信用していない。

 

少なくとも、ちょっと勉強したくらいで太刀打ちできるレベルではなくなった。

 

膨大な数の個人投資家の登場によって、相場はよりランダムでノイジーなものになってしまった。もはやプロと呼ばれる人たちでも確かなことなど言えない。

 

同時に「幸運に賭けて一発当てる」ということも限りなく難しい時代になったが、これは、あらゆる分野、業種にも言えるかと思う。そんなのを狙う生き方だけは、絶対にしないほうが良いと、個人的には思う。

 

これからの「本当の成功モデル、成功モデルケース」は、限りなく目立ちにくく、地味で、分かりにくいものになるだろう。

 

ど派手な「成功」を演出できるのは、大企業や、一発屋だけだ。

 

6.

 

たぶん最も重視すべきは「持続可能であること」。

 

これはおそらく「生き抜くこと」と同義になる。

 

下り坂の先進国の状況。将来、もっと剥き出しの状態で直面して右往左往するよりも、率先して、積極的にダウンシフトすること。

 

血で血を洗う戦い、終わりなきデッドレースから降りてしまうこと。

 

これからの進み方として、充分検討に値するかと思う。そして、30歳は、その検討、選択の時期ではないか。そんな風に思う。