30歳からのブログデビュー

アラサー男があなたに贈る現代版「徒然草」(つれづれぐさ)

現地の図書館で読んだ本、の話

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今日は、図書館で本を読んでいます。雨なので…

本当は仕事を進めないといけないのですが、なんだか今日は本が読みたい気分です笑

 

なお、具体的に読んだ本は……

 

『それでも三月は、また』

→311を題材にしたアンソロジー。谷川俊太郎重松清小川洋子川上弘美多和田葉子…などの作品やコラムが読めました。中でも村上龍さんのコラムが良かったな。かつて『希望の国エクソダス』という小説で「この国には何でもあるが希望だけがない」というようなことを言っていたけれど、311には逆に『何もなくなってしまったが希望だけがある』という状態(を信じたい)と書いていて、少し感慨深い気持ちになりました。

 

『〈旭山動物園〉革命』

「旭山動物園」革命―夢を実現した復活プロジェクト (角川oneテーマ21)

「旭山動物園」革命―夢を実現した復活プロジェクト (角川oneテーマ21)

 

 →旭山動物園の園長が書いた本。90年代に来園者数が激減し、閉園もささやかれたところからの逆転は何を持って可能だったのか。…立地、動物のめずらしさ、など、他の動物園と比較しても強みがなかったこの動物園を蘇えらせたものは、"お客様に聞いてみる"というマーケティングと、定例勉強会に代表される"気づき"の交換。そして、それに基づいたある種の「コンセプト」だったということですね。……しかしながら「自治体の財政が悪化したときに、その影響が最も出やすい場所が動物園・水族館である」との旨が書かれていて「なるほどなあ」と思いました。この旅で、もう1度、旭山動物園に行ってみたいですね。(フリーパスを買ってしまったので汗)

 

『葬式は、要らない』

葬式は、要らない

葬式は、要らない

 

 →オウム関連でも著作がある宗教学者の本。日本の葬儀費用は、他国と比較してベラボーに高額であるのだそうです。でも、多くの場合は「仕方ないか」と諦めてしまう。自分も、仕事で冠婚葬祭関連の広告に携わったことがありますが、なるほど、確かに「戒名」とか「墓石」とか「お布施」とか、いちいち高いんですよね……。現在は「直葬」(*火葬場直行でセレモニーなし)も増えているそうですが、これもうなずけます。でもなんか、生まれるときもわりにあっさり生まれて、死ぬときもリーズナブル&コンパクトにみたいになると、なんかちょっと虚しくなる気もしますね…。

 

下でご紹介する『無縁社会』も、ある意味で「弔い」の問題をはらんでいますが、確かに、セレモニーの外枠なんかどうでもいいと思います。問題は、その死を本気で悲しんでくれたり、あるいは思い出を懐かしんでくれる人の存在ではないでしょうか。自分が死ぬときに、そういう人が1人もいない人生……これは、キツいですね…。

 

『魅惑の夜感鉄道』

魅惑の夜感鉄道 (Klasse books)

魅惑の夜感鉄道 (Klasse books)

 

 →写真集。何気なく手に取ったらとても良い感じの写真があったので拝見。確かに、夜の列車って、いいものです。通り過ぎる街々では、夕食やだんらん、それに眠りの世界に人々はいるわけですが、そういった無数の人生・ドラマの脇を電車が通り過ぎるわけです。夜の駅、ホーム。これも素敵です。ところで、今回の北海道の旅は、列車の良さを味わう旅にもなりました。

 

無縁社会

無縁社会 (文春文庫)

無縁社会 (文春文庫)

 

 →なんていうか、ちょっと夢中で読んでしまったのがこの本。NHKが「無縁社会」なんていう言葉を作りだし、いたずらに(無自覚な部分で)危機感・不安感をあおっている側面もゼロではないと思うけれど…。しかしながら「無縁死=行旅死亡人」ときちんと定義されており、調査によって無縁死の人数が全国に32,000人もいることを突き止めた功績は決して小さくないと思う。

 

背景にはもちろん、現代につながる「核家族化」、さらには「孤住化」があるかと思う。そして、地方産業の縮小ほか、都市集中なども背景にある。"無縁死予備軍"の候補の1つのモデルケースとしては、何らかの原因(借金、連帯保証人、倒産、失業など)により地元からの「移動」を余儀なくされ、不安定で流動的なレーンの上に生活基盤を立てざるを得ない。そんな人。そのような過程で、これまで持っていた「縁」(コミュニティとのつながり)が少しずつ、しかし確実に分断されるという事態がおこる。「縁」(コミュニティとのつながり)を分断するものは、物理的な「距離」だけでなく「時間」(そういえば故郷にもう○○年帰ってないな…など)も大きなファクターとなっている。

 

そして、何よりも「遺骨の引き取り手がない」ということが、無縁死(無縁仏)を無縁死たらしめていると言える。

 

まず「未婚であること」が1つの危険。次は「パートナーの死別や離婚」。そして「長生き(高齢化)」…この辺が無縁死の入り口ということですね。たぶん今の30歳より上は、いわゆる「ロスジェネ世代」と呼ばれる感じだと思いますが、なんとなく、恋愛ベタ?だったり、結婚をあきらめる(あるいは第1候補ではない)という価値観の人が多い気もします。かくいう自分もそうでしたが…この本を読んで、結構真剣に「少し早めに結婚考えたほうがいいのでは?」とも思いました。

 

……とにかく、ものすごーく、怖いお話でした。ちょっと真剣に、これからの人生、というか人付き合いとかのことを考えなきゃ、と感じます。

 

『ヤクザと原発 福島第一潜入記』 

ヤクザと原発 福島第一潜入記 (文春文庫)

ヤクザと原発 福島第一潜入記 (文春文庫)

 

 →これもすごく衝撃的だった…。というか「原発問題」ほか「地方創生」とか、そういうことを考える上で根幹に触れる問題へ、ある種クリティカルな回答を与えているように思えた。

 

原発が都市部から離れた田舎に建設されるのは、万が一の事故の際、被害を最小限にとどめるためだけではない。地縁・血縁でがっちりと結ばれた村社会なら、情報を隠蔽するのが容易である。建設場所は、村八分が効力を発揮する田舎でなければならないのだ。(P236)

 

…そして「上の会社・国」と「住民・地元企業」の仲介役となるのが、そういった方々というわけだ。

 

「田舎はクリーン」「のどか」。そんなイメージは間違っていないけれど、別な角度から見れば、また違った田舎が見える。

 

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話は変わりますが、いま、とあるちょっと有名な喫茶店にいます。

 

お客さんは自分ひとり。

 

雨だれの庭を眺めながら、コーヒーを頂いています。

(おいしいけど、やっぱり、富良野の某喫茶店には勝てませんね…。温度なのか?まったく角がなく、ものすごくまろやか、とでも表現したらいいんでしょうか?)

 

閉店までもう少し時間があるのでゆっくりできます。

 

本当は仕事をしようと思っていましたが、もう、やる気になりません笑

 

はあ、いいや。ここを出てから夕飯&仕事にしよう。