地方の魅力、の話
1.
仕事がだいぶ進んできた…というちょっとした余裕から、ちょっと何か書いてみようかと。
いや、数日後の〆切までは、本当はあんまり余裕はないのですが…
でもまあ、気分転換は必要なので(言い訳?)
2.
いま考えているのは「地方の魅力」について。
ただ「地方」と言っても、栄えている大都市から過疎の村、リゾート地までいろいろあるので、なんとも言えませんが。
……そう考えると「地方」っていう言葉の定義はすごく曖昧ですよね。
ここが曖昧で共有できていないから「地方創生」なんていうスローガンも、根本療法につながる気がしない「絵空ゴト」に見えてしまうのかも。
県単位の地価で見ると、今起きていることは「でかい駅などがある都市部は相場が上がるか、安定していて、その周辺地域は相場が下がってきている」という現象。
「地方移住者」(田舎移住者)は現在かなり多いですが、人気の無い土地はとことん人気がないし、人気があったって、それが村や町の経済活性化につながっているのか疑問。こんな感じなのではないでしょうか。
そもそも、その村や町にずっといる人は、その環境の魅力に無自覚なことが多い。
そして、高齢者ばかりの土地だと、村おこしと言ったって、ITの「”あ”の字」すら分からなかったりしますし。(自分の祖父母がそうです)
さらに根本的な部分だと、当事者が別に、心の奥底では本気で「村おこし・町おこしなんか望んでいない」というケースも多々あると思われます。自発的に行動を起こすのは「危機感」が動機になりますが、普通に生活できていれば、そんなもの持てるほうがおかしいかもしれない。
3.
今日、ご当地ニュースで見たのですが、自分のいる南の島では酪農が衰退気味で、スーパーに生乳が並ばない日が増えているんだとか。
酪農家の高齢化、エサの高騰などが大きな要因ですが、インタビューを見た印象だと、現場のモチベーションもかなり下がっているようです。
農業も似たり寄ったりと聞きますが「日本の食は大丈夫なのか?」とちょっと本気で危機感を覚えます。
「地方は農業・漁業・酪農が盛んで、おいしいものが溢れている」というのが、一般的な都会人の抱くイメージでしょうが、実際はそんなにのどかで明るい話ではないらしい。いわゆる後継者不足などの問題もあるでしょうが…。
4.
それから「地方には仕事がない」と言われますが、これはやはり、事実。
正確には「建設系や農業など、特定の仕事以外は、あまりない」と言えそう。
すると若い人たちは、やっぱり都市部に出て行きますよね。自分もそういう環境に置かれていたら、大学進学や就職などのタイミングで都市部に行ったりとか、考えたと思います。
そう考えるとどうしても、ジワジワ地方(田舎)の経済や産業が衰退していく構造がある。「それはやばいよー!」と言って、「地方創生」なるスローガンができる。しかし、言葉が「1人歩き」している。
5.
うーん、やっぱり、教育なのかな?
こんな時代なので、義務教育を終えたら「職業訓練か、さらに上のレベルの基礎教育かで分ける」とかはいいかな、とは思います。
しかも、職業訓練校に行く子に対しては、卒業後の就職先をきちんと保証すること。
けれど将来大学に行きたければ、20代、30代からでも行けるのが当たり前の環境・サポート体制を作ること。
いわゆる普通科に進む子は、公務員とか研究者とか、そういうのを目指す子で、とにかくハイレベルであること。名ばかりの「大学」は全部潰してしまって、本当の意味で国内外の多分野でリードを採れる人材を育てること。
それで、そういう「知的拠点としての大学」を、のどかな過疎地とか、地価相場の安い田舎におけば、心置きなく勉強できるだろうに…。それで自然に、地域も活性化されるでしょう。
そういうことにお金を使わないで、五輪の競技場や築地の移転に莫大な金をかけたり、政務活動費をちょろまかす市議(と、議会の構造)とかに使う余裕なんて、この国にはマジでないと思います。
この国の尺度じゃなくて、人類規模で見たときの本当のイノベーションというか付加価値を創り出さないと、この前のギリシアみたいになるかもしれません。
まあ、根源的には「資本主義」という体制が、現代に合わなくなってきているのかなあ
とは思いますが、その話はまた別の機会に。
6.
問題が大きすぎるので、いまちょっと考えて答えが出るものじゃない。
自分個人としては、言葉の「地方」しか知らなくて、肌でわかっていないから。
データ(入力)が少ないわけですね。
旅を続けてみて、そのヒントがつかめたら。
そしてあわよくば、なんらかの形で貢献などできれば…
そんな夢想も密かにしつつ、南の島の夜は更けていきます。