30歳からのブログデビュー

アラサー男があなたに贈る現代版「徒然草」(つれづれぐさ)

日本の自殺者数は本当は10万人を超えているかもという話

1.

 

ネットサーフィンで「日本の自殺者数は発表よりも多いかも」という話題を目にして、読んでみたら衝撃を覚えた。

 

www.itmedia.co.jp

 

 現在の日本の自殺者数は3万人程度と言われている。(【2020年追記】*2019年の公式発表では2万人を下回りました)

しかし多くの方が指摘するように「本当は3万人どころじゃないのでは?」という説もある。

これには「説得力のあるいくつかの理由」がある。

 

まず、日本では遺書がない突発的な自殺と考えられるケースなどは「変死」として処理されてしまうこと。(つまり「自殺者」にカウントされない)

 

日本には年間15万人ほどの変死者数がいるとの説もあるらしい。

WHOではその半分を自殺者としてカウントするらしく、そうすると変死者数の半分(7.5万人)と、発表された自殺者数(3万人前後)で実際の自殺者は10.5万人前後ということになる。

 

ただし、これだけではない。

 

日本には年間8万人前後の行方不明者がいる。

その中で、年間4,000〜5,000人は見つかっていないという。

事件に巻き込まれた以外にも、 ここに自殺者が含まれる可能性は高いと思われる。 

 

この半分(2,000人前後)を仮に自殺とした場合、上記と足して、ほぼ自殺者は11万人前後と考えても、荒唐無稽とは言えないのではないだろうか。

 

自殺の9割は他殺である 2万体の死体を検死した監察医の最後の提言

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2.

 

衝撃的な数字なら、自殺以外にもある。

 

自分は仕事で、不登校の問題を取り扱ったことがあるのだが、その時の調査では、確か小中高の不登校者数は、17万人ぐらいに達していたと記憶している。

 

不登校者数に関しては、学校側が名簿などで把握しているため、ある程度信憑性がある。(といっても「心の病気」という名目で休んでいる生徒は、カウントされていない可能性もある。あるいは保健室登校や、不登校センター通学なども)

 

それから、内閣府の発表によると、引きこもり人数が全国で70万人、その予備軍が、155万人もいると推計されている。

 

しかし、引きこもり人数に関しては、あくまでも推計である点に注意しなければいけない。

 

「あくまでも推計」であるということは、これ以上の引きこもり人数がいる可能性もあると考えてよい。なお、引きこもりの「予備軍」は、155万人(!)と推計されている。 

(ただし、厚生労働省は引きこもりの推計を「25万5000世帯」と推計しているらしい。これだけ結果に開きがあるのは、ある意味で、実態調査の難しさを物語っているように思う。…家族が正直に答えてくれるとは限らない。また、入院患者数のように、どこかの機関が信頼できるデータを持っているわけではない。家から出ないので、その多くは通院などもしていないだろう)

不登校・引きこもり・ニート支援団体ガイド

不登校・引きこもり・ニート支援団体ガイド

 

 

3.

 

これらの数字(自殺者数、不登校数、引きこもり(準引きこもり)推計)を見ていると、この国の「生きづらさ」の深淵が少しだけ垣間見えるような気がしてくる。

 

「自殺者数、不登校数、引きこもり(準引きこもり)推計が、実は密接に絡み合っているのではないか?」という思いも振り払うことができない。

 

要するに、希望を持てない人が多いのだろう。自殺者10万人以上という数字を信じるのであれば、これだけでもあまりにも異常な数である。

 

日本の、年間の死亡者数は130万人前後で、自殺者が10万人以上いるということは、少なくとも13人前後に1人が、自殺をしているということになる。

 

もちろん、明白な証拠は無い。

 

ただしこれが事実だとしても、あまりにショッキングで不都合な真実なので、公表されることは無いのではないか。仮に、ごく一部の人間だけがそれを認識していたとしても…。

 

ただ、陰謀論というよりも、単に「自殺者数を正確に把握しきれない」というのが実態のように思う。

 

4.

 

そういえば、自分の周囲にいる後輩たちは、総じて「会社を辞めたい」と言っている。

 

「今の子たちは堪え性がない」「すぐに辞めてしまう」などと大人はいうが「実は今の若い人たちの態度にも一理あるのでは?」とも思える。 

 

まず、職場において「よく考えたら無理なこと」を要求をされている可能性が考えられる。あるいは、人格を否定されたり、過労に追い込まれたり…。

 

おまけに終身雇用が崩壊しているので「ミスしたり、評価が悪いと職を失うかも」という不安に、常につきまとわれることになる。

 

……終身雇用がなくなり、大規模なリストラなどが伝えられるようになると、和気あいあいとした「家族的な会社」のイメージは崩壊した。

 

会社=カンパニーは、もともと「同じ釜の飯を食う」というような意味である。 つまり運命共同体だ。

 

しかし、現在の会社の多くは単なる競争の場となり、時には「自分の生き残りのためには他者を犠牲にしなければならない」という大変グロテスクな場となっている。

 

これは学校においても同様だ。学校生活を経て、会社に入った人間は、心の休まる暇を与えられないまま60〜70歳まで働かされることになる。これが人間的な生き方と果たして言えるだろうか?

 

 

おそらくバブル崩壊〜90年代が、1つの大転換期だった。

 

この過渡期には、このような競争から自らドロップアウトする勢力が生まれた。

 

生きることのドロップアウトは「自殺」。

外界からのドロップアウトは「引きこもり」。

学校教育からのドロップアウトは「不登校」。

 

 

6.

最後にもう一つの数字を出してみたい。

2014年度までの5年間で、地方移住者の数が「4倍」に増加した。

地方移住者数は、年間既に1万人を超えていることになる。

 

 

やむを得ぬ事情で、また積極的な理由によって、ドロップアウトする人たちが出ている。

 

しかし、その一部は「地方移住者」となって、新たな生き方や、働き方を模索、あるいは実現している。まずは人間的な生活を取り戻すこと。これが最重要課題だったのかもしれない。ある意味では「ポジティブなドロップアウト」と言えるかもしれない。

(ただ、地方移住者全員が成功しているわけではないのだけれど…)

 

7. 

 

一部の人たちは、すでにレースから降り、ダウンシフトをはじめている。

 

自殺者数が、不登校・ひきこもり人数が、地方移住者数が、それを物語っているのかもしれない。

 

それなら。

 

…1度立ち止まってみては? 散々走ってきたのだから、止まったってバチは当たらないだろう。

 

あるいは、歩くことからはじめてはどうだろうか。

 

 

 

【*この問題を考える参考書籍】

自殺論 (中公文庫)

自殺論 (中公文庫)

 

 

自殺予防 (岩波新書)

自殺予防 (岩波新書)

 

 

「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)
 

 

自殺の心理学 (講談社現代新書)

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自殺よりはSEX―村上龍の恋愛・女性論

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